仁科川水系

仁科川,白川,本谷川

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基本情報

水系名

仁科川水系(にしながわすいけい)

河川ごとの紹介

仁科川(にしながわ)
[延長]10,950m
[起点]三階川本谷川合流点
[終点]海に至る

白川(しらかわ)
[延長]1,600m
[起点]静岡県賀茂郡西伊豆町大沢里白川字清水677番地先の清水橋
[終点]仁科川への合流点

本谷川(ほんたにがわ)
[延長]1,800m
[起点]静岡県賀茂郡西伊豆町大沢里字小草沢653番地先の名郷橋
[終点]仁科川への合流点

仁科川の風景(河口付近)の写真
仁科川(河口付近)の風景

仁科川の風景の写真仁科川の風景

河川及び流域の概要

仁科川は、伊豆半島の西側に位置する猫越岳に源を発し、本谷川、白川などと合流した後、谷底平野を形成しながら西伊豆町の田園地帯や市街地を経て駿河湾に注ぐ流域面積56.60km²、幹川流路延長10.95km の二級河川である。上流域の西天城高原及び海岸線は富士箱根伊豆国立公園内に位置するとともに、河口部周辺は名勝伊豆西南海岸区域に指定されており、豊かな自然が残されている。
流域の地形は、約90%を山地が占め、主に標高600m 以上の大起伏山地と標高200~600mの中起伏山地で構成され、中流から下流部には川沿いのわずかな範囲に平地が分布する。
流域の地質は、主に伊豆半島が海底火山であった時代の火山性堆積物から成る湯ヶ島層群で形成されており、仁科川上流域で石英安山岩類、白浜層群、白川上流域では石英安山岩がみられるほか、白浜層群白色凝灰岩類、火山砂礫が分布する。特に中流域の西伊豆町一色地区には支川の準用河川川金川沿いに伊豆半島で最も古い地層として知られる一色枕状溶岩が見られ、平成24 年の伊豆半島日本ジオパーク認定以降、ジオポイントとしても注目されている。
河道特性としては、上流部の山付部においては河床勾配が1/60 から1/30 と急流河川である。中流部から下流部は殆どが有堤区間となっており、河床勾配は中流部で1/210~1/110 と変化に富み、下流部では1/560 程度で緩やかな河道となっている。また、河口域では、波浪や漂砂の影響を受け砂州が発達している。
流域の気候は、遠州灘から駿河湾に沿って流れる黒潮の影響を受ける海洋性気候であり、平均気温は16.2℃(気象庁松崎観測所昭和61 年~平成27 年)と全国平均の15.5℃に比べ温暖である。また、年平均降水量は1,966mm(気象庁松崎観測所昭和61 年~平成27 年)であり、全国平均の1,718mm を上回る。
流域の土地利用は、山林が約95%と大部分を占め、水田・畑・原野等が約4%、市街地が約1%であり、河川沿いを中心に宅地や田畑が分布している。また、土地利用の変化については、昭和51 年から平成21 年にかけて、白川や、本谷川沿いに点在する集落や田畑が減少しており、樹林地化が進んでいる。近年、流域内の山地部においてニホンジカ等の野生鳥獣被害が増加しており、下層植生の劣化に伴う保水力低下や土壌流出など河川への影響が懸念されている。
流域を含む西伊豆町の人口は、平成27 年時点で総数8,727 人であり、昭和35 年の17,152人から減少傾向にある。特に、65 歳以上の高齢者の割合は41%と静岡県内で最も高く、全国平均を大幅に上回っている。
産業は、昭和30 年代までは農業、漁業等の第一次産業が中心であったが、昭和40 年代以降は大幅に減少し、現在は第三次産業が中心である。平成22 年国勢調査によると、西伊豆町の産業別就労人口は第一次産業が約6%、第二次産業が約22%、第三次産業が約73%となっており、中でも「飲食業・宿泊業」の就業人口が最も多い。西伊豆町は川や海、山などの豊かな自然環境をいかした観光が産業の中心で、近海で水揚げされる魚介類や天草などの海産物、渓流部などで栽培が盛んなわさびなど数多くの特産品のほか、町のキャッチフレーズとして掲げる「美しい夕陽」が見える景観や、温泉施設、海水浴場、キャンプ場などを目当てに年間約80 万人の観光客が訪れている。
流域の交通については、伊豆半島の中央部と西伊豆地域を結ぶ国道136 号が仁科川河口部で横断しており、地域の主要幹線道路であるとともに、災害時における緊急輸送路としての役割も担っている。また、現在、伊豆地域では伊豆縦貫自動車道の整備が進められており、今後、更なる利便性の向上が期待される。
流域の河川に関わる歴史や文化については、仁科川河口より約1㎞上流の河床から「仁科川河床遺跡」が発見されており、土器等の出土品から少なくとも縄文時代前期には人々が流域内で生活を営んでいたことが確認できる。伊豆の山々からわずかに開けた平野部を中心に旧仁科村の集落が形成され、流域では農業や漁業を中心として人々の生活が営まれてきた。
江戸時代に描かれた「天保国絵図」によれば、もともとの仁科川の河道は河口から約2km上流の東福寺付近を境としてそこより下流側は現在よりも北側を流れていたことが確認でき、その後、近代に入り耕地整理のために河道が埋め立てられ、現在の位置に仁科川の河道が形成された。
流域周辺には五穀豊穣や豊漁を祈願した神楽などが伝統文化として引き継がれており、仁科の人形三番叟は静岡県の無形文化財に指定されている。

 

河川の整備の基本となるべき事項

1.基本高水並びにその河道への配分に関する事項

基本高水のピーク流量は、既往の洪水や河川の規模、流域内の資産・人口等を踏まえ、県内の他河川とのバランスや既往の治水施設の整備規模を考慮し、年超過確率1/50 規模の降雨による洪水を対象として、基準地点築地橋において660m3/s とし、これを河道へ配分する。

基本高水のピーク流量等一覧表
河川名 基準地点 基本高水のピーク流量(m3/s) 河道への配分流量(m3/s)
仁科川 築地橋 660 660

2.主要な地点における計画高水流量に関する事項

計画高水流量は、基準地点築地橋において基本高水のピーク流量と同じ 660m3/s とする。

 計画高水流量配分図

計画高水流量配分図(出典:仁科川水系河川整備基本方針)

3.主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項

主要な地点における計画高水位と計画横断形に係る概ねの川幅は、以下のとおりとする。

主要な地点における計画高水位、川幅
河川名 地点名 河口からの距離(km) 計画高水位T.P.(m) 川幅(m)
仁科川 河口 0.0 10.60※ -
築地橋 0.8 4.71 55

(注)T.P.:東京湾中等潮位
※:計画津波水位

4.主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項

流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関しては、今後さらに、流況等の河川における状況の把握を行い、流水の占用、動植物の生息・生育・繁殖地の状況、景観等の観点からの調査検討を踏まえて設定するものとする。

 仁科川水系図
(出典:仁科川水系河川整備基本方針)

仁科川水系図.pdf/235KB/