筬川水系

筬川,新溝川,会下ヶ谷川

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河川環境

筬川の水質について、環境基準の類型指定はされていないが、御前崎市環境基本計画ではB類型を環境目標としている。御前崎市の測定によると、下流部の緑橋地点のBOD値は、10年前までは環境基準のB類型相当である3mg/lを頻繁に上回っていたが、平成20年以降、BOD値は緑橋地点で1.0〜2.9mg/lで推移しており、改善傾向にある。平成24年度時点の汚水処理区域内人口に対する下水道、農業集落排水、合併浄化槽の接続率は65%となっており、その他は、単独浄化槽や汲み取りの方式が用いられている。
河川周辺に生息する動植物については、上流から河口にかけてそれぞれの生息環境に適した多様な生物が確認されている。下流部では汽水性のボラや回遊性の絶滅危惧種であるニホンウナギなどの魚類が生息し、流水のある中上流部では、瀬にはオイカワ、緩流部には、ヌマチチブやカワニナが生息し、その植物帯にはタモロコ、メダカ南日本集団がみられる。回遊性の魚類ではニホンウナギ、カワアナゴ、ゴクラクハゼなども確認されている。
河川と連続した水田や流域内に数多く存在するため池等を含め、筬川水系の河川を軸とした現状の河川環境が多様な生物の生息環境となっている。しかし、筬川水系の河川に設置されている堰、落差工の中には、魚道がないなど河川における上下流の連続性の障害となるものもあり、改善が必要である。
下流域の河道内は河畔林やツルヨシが繁茂し、水際や河原にはミゾソバやチガヤなども見られる。また、水際には特定外来生物のオオフサモも見られるが、筬川流域における在来の生態系が悪影響を受ける恐れがあることから、河川環境の整備と保全を図る上での課題のひとつとなっている。