巴川水系

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地史

巴川周辺は縄文時代前期(約6000年前)には、現在より海水面が4mから6m程高く、清水付近から麻機へ深い入江になっていました。弥生時代(約2300年前)以降は、ほぼ現在の海水面となり、低地が形成されました。このため、流域の西側に位置する安倍川の本流が乱流し、その流れは低地を縫うようにして清水方面へ流れていたと考えられます。

流域の地形2
約6000年前の巴川周辺の地形PDF/286KB

地形

巴川上流部は庵原山地を、中下流部は三角洲性の泥質低湿地及び砂質三角洲で構成される静岡・清水平野を流下しています。
北方の山地から発した左支川塩田川は、扇状地と泥質低湿地を流下し、左支川長尾川は、主に扇状地を流下しています。

大谷川放水路は有度山西側に沿って流下し、海岸沿いの微高地を通過して駿河湾に注いでいます。

一方、西側の安倍川は、扇状地を形成し、典型的な天井川をなし、東西方向に流域の横断をみると、約40mもの標高差があります。

南北に伸びた賤機山の南端を中心に扇状地が広がっており、現在、安倍川は南流していますが、時には東へ流路を変えて静岡平野を形作っていたと考えられます。

流域の地形1
現在の巴川周辺の地形/PDF/214KB

地質

流域の北側の庵原山地は、新第三紀の竜爪層群・静岡層群と呼ばれる海成の砂岩泥岩互層からなる褶曲山地からでき、南側の有度山は、海成の泥層も挟まれていますが、主に安倍川の昔の扇状地レキ層からできています。
また、有度山を含む丘陵地(日本平)がドーム状に隆起し、東側および北側が沿岸流により浸食されて三保の砂嘴ができたと考えられます。
泥層の分布などから、古麻機湾などの消滅を類推することができます。

 静岡・清水平野の表層地質図
静岡・清水平野の表層地質図

 地質図
地質図